転職でも社内異動でも、評価はリセットされた。持っていけたのは『仕事の中身』だけだった

何を残して何を変えるか
記事内に広告が含まれています。

私はこれまでに2回、働く場所を変えています。

1回目は会社の外へ。損保から今の会社に転職しました。2回目は会社の中で。社内公募で、営業から経営企画に移りました。

「転職すると評価がリセットされる」とよく言われます。両方やってみた実感を先に書くと、社外でも社内でも、評価と信用はリセットされました。 持っていけたのは評価ではなく、仕事の中身を知っていることでした。

この記事では、2回の移動で何がリセットされて、何を持っていけたのかを書きます。

社外に転職したとき:信用はゼロからだった

損保から転職して半年ほどで、コロナ禍になりました。

少し特殊な事情ですが、これは私にとってなかなかしんどかった。営業として、ずっと人と人が顔を合わせて信頼関係を作るやり方でやってきたからです。

転職したばかりの人にとって、信用を作るきっかけは、一緒に仕事をする場面そのものです。そこがテレワークに切り替わると、きっかけ自体が減ります。

前の会社で積んだ実績は、新しい会社の人から見れば「経歴書に書いてあったこと」でしかありません。一緒に仕事をしたことがない人を、人は簡単には信用しない。 転職すると、信用はゼロからになります。

最初の年の評価は「フラット」だった

転職して最初の年の評価は、フラットでした。

大した成果も上げられず、ついていくのがやっとでした。ただ、それで評価がマイナスになることもありませんでした。

まあ、それはそうだよね、と思っています。入ったばかりの人に大きな成果は期待されていないし、慣れていないことを減点されるわけでもない。

転職を考えている人は、1年目の評価はフラットになるものと思っておくと、気持ちが楽になるかもしれません。

信用が戻ってきたきっかけ:前の業界の「事務」を知っていた

信用が動き始めたきっかけは、前の会社で身についた知識でした。

保険会社の請求まわりの事務を効率化する案件に入ったときのことです。お客様との打ち合わせで、的確なコメントができた。

損保にいたので、保険会社の事務がどう回っているかを理解していました。だから打ち合わせの場で、話がかみ合ったんです。

評価や実績は持っていけません。でも、前の業界の業務を知っていることは、そのまま持っていけました。そして、それが「この場で役に立つ」と見せられたときに、ゼロだった信用が動き始めました。

損保の経験が転職でどこに値段がつくかは、損保の代理店営業の経験を書いた記事にもまとめています。

社内で異動(社内転職)したとき:それでも評価はリセットされた

では、社内の異動ならどうか。同じ会社の中なので、評価も信用も引き継がれそうに思えます。

実際のところ、営業時代の評価が、移った先にどこまで伝わっていたのかは分かりません。ただ実感としては、信用もリセットだったと思います。評価や信頼は持っていけず、一からになりました。

それでも評価されたものがあります。

営業時代、私は複数のプロジェクトで、ヒアリング、見積もり、受注、ローンチ、請求、アフターフォローまでの一連の流れを経験していました。それが、現場目線を知っているということで評価されたのだと思います。

ここでも持っていけたのは、評価ではなく仕事の中身でした。

社内公募でどう移ったかは社内公募の記事に、移った先で何をしているかは経営企画の記事に書いています。

それでも、社内の異動のほうが持っていけるものは多い

評価がリセットされる点は同じでも、社外の転職と社内の異動では違いがあります。

社内の異動なら、次の2つは最初から持っています。

  • 社内のシステムを知っている
  • 現場の動き方が分かっている

社外に転職すると、ここから覚え直すことになります。

会社の側から見ても、社内の異動なら採用活動に費用がかかりません。だから社内では、人材の取り合いになっていると思います。

その分、受け入れる組織の側には、魅力的な組織を作ることが求められます。社内公募で人を集めたい部署は、「行きたい」と思われる部署でないと、人が来ないからです。

2回の移動を並べると

社外への転職社内の異動
評価リセット(1年目はフラット)リセット
信用ゼロから一から
持っていけたもの前の業界の事務の知識一連の流れを経験した「現場目線」
最初から持っているものほぼなし社内のシステム、現場の動き方
手放したもの前の会社での実績自分がまいた種の成果

どちらも、評価そのものは持ち出せません。違うのは、最初から手元にあるものの量です。

動いた人が手放すもの:自分がまいた種

もうひとつ、動くと手放すものがあります。自分が種をまいた仕事の成果です。

営業を離れたあと、私が種まきをしていた案件が、後任のもとで花開いているのを見ています。残っていれば、今年もプラス評価だっただろうなと思います。

種をまいてから実るまでには時間がかかります。途中で動けば、その実りは後任のものになる。評価がリセットされるというのは、こういうことでもあります。

とどまるのも、ひとつの選択肢

ここまで書くと、「じゃあ動かないほうがいいのか」と思われるかもしれません。

私は、とどまるのもひとつの選択肢だと思っています。実際、私も残っていれば、まいた種の分だけ評価は上がっていたはずです。

ただ、評価のために仕事をしているわけではない、昇格に強いこだわりがない、という人なら、自分が納得できる働き方を追い求めるほうが、人生の幸福度は上がると思います。

動く前にできること

ここから先は、2回の経験から私が考えたことです。

① 1年目の評価はフラットと見込んでおく

社外でも社内でも、最初の年は成果を出しにくい。マイナスにもなりにくいですが、プラスも期待しないで計画しておくほうが、焦らずに済みます。

② 持っていける「中身」を言葉にしておく

評価は持っていけませんが、業務の流れや業界の事務の知識は持っていけます。自分が何を知っていて、それが次の職場のどんな場面で役に立つのかを、動く前に言葉にしておくと、信用を作り直すのが早くなるはずです。

③ まいた種が、いつ実るかを見ておく

種まきの途中で動けば、その実りは後任のものになります。動く時期を選べるなら、手がけている仕事がいつ実るのかを見ておくのもひとつです。

④ 社外でどう値段がつくかを、先に知っておく

社外に出ると、評価はリセットされて、持っていけるのは中身だけになります。だとすると、その中身に社外でどんな値段がつくのかは、動く前に確かめておけます。

今の経験でどんな求人があるかを、転職エージェントに聞いてみるのもひとつの方法です。たとえば、大手企業の人事出身者が転職をサポートする、というサービスがあります。(PR)

まとめ

  • 社外に転職しても、社内で異動しても、評価と信用はリセットされた
  • 転職して最初の年の評価はフラット。成果は出せなかったが、マイナスにもならなかった
  • 信用が動き始めたきっかけは、前の業界の事務を知っていたこと。持っていけるのは評価ではなく、仕事の中身
  • 社内の異動では、営業で一連の流れを経験していたことが「現場目線」として評価された
  • 社内の異動なら、システムと現場の動き方は最初から分かっている。採用費もかからないので、社内では人材の取り合いになる
  • 動くと、自分がまいた種の成果は後任のものになる
  • とどまるのもひとつの選択肢。ただ、評価や昇格に強いこだわりがないなら、納得できる働き方を追うほうが幸福度は上がる

コメント

タイトルとURLをコピーしました