「やりたいこと」が言えないまま転職活動をして、半年で決まるまでにやったこと

異業種・キャリアチェンジ
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前回、転職で「何を残して何を変えるか」を先に決めた話を書きました。ただ、あれは後から振り返って整理できた話です。

実際に動いていたときの私は、「何がしたいか」を聞かれても答えられませんでした。

この記事では、その状態からどう進めたのかを、実際にやったことだけで書きます。使ったのは転職エージェントで、私の場合はdodaでした。

半年かかって、面接を受けたのは2社だけ

先に結果から書きます。

登録から内定まで約半年。応募して面接まで進んだのは2社だけです。

転職活動というと、何十社も受けて何度も落ちる、というイメージがあるかもしれません。私はそうではありませんでした。

理由は2つあります。

ひとつは、当時長野にいたこと。面接は基本的に東京で、1回行くだけで移動と休みの調整が必要でした。面接に行くこと自体にコストがかかる状況だったので、数を打つやり方が現実的ではなかった。

もうひとつは、2社目で内定が出てしまったことです。そこで動きを止めました。

半年という期間の大半は、面接ではなく、その手前で使われています。

「やりたいこと」の代わりに言えたこと

コンサルタントとの最初の面談で聞かれるのは、やはり「何がしたいか」です。

私が言えたのは、こうでした。

損保では営業の最前線しか経験していないので、もっと上流をやりたい。

これが精いっぱいでした。具体的な職種も業界も言えていません。

ただ、いま振り返ると、この一文はかなり機能しました。

「やりたいことがない」と「上流をやりたい」は、状態としてはほとんど同じです。どちらも次が決まっていない。でも後者には方向が入っている。コンサルタントは方向さえあれば求人を探せます。

なぜ「上流」と言えたのか

これは思いつきで言ったわけではありませんでした。

当時、保険会社の営業現場のデジタル化は、まったく進んでいませんでした。

紙で回っている手続き、何のためにあるのか分からない確認作業、毎朝つくるだけの帳票。現場にいると、そういうものが日常として目の前にあります。

それを「面倒だ」で終わらせずに、「これを変える側はどこにいるんだろう」と考えると、自然に上流という言葉が出てきます。

つまり、やりたいことは現場の不満から逆算して出てきたということです。ゼロから「自分は何がしたいのか」と考えても出てこなかったと思います。

やりたいことが浮かばない人は、いま毎日やっていることのうち、どれが無駄だと感じているかを数えてみるほうが早いかもしれません。

紹介されたのは10件くらい、幅はかなり広かった

出てきた求人は10件ほどでした。

内訳は、SIerの同業他社から、不動産まで。かなり幅があります。

このとき「なぜ不動産?」と思ったのを覚えています。でも今なら分かります。私が出した条件が「上流」だけだったからです。業界を絞っていないので、エージェント側は業界をまたいで出してくるしかない。

ここは両面あります。

絞らなかったおかげで、自分では思いつかなかった保険業界向けのSIer営業という選択肢に当たりました。これは自分で求人サイトを検索していたら、まず出会っていません。「保険」でも「IT」でも検索しない領域だからです。

一方で、10件のうち興味を持てたのはごく一部でした。絞らないと、読む量が増えるということでもあります。

職務経歴書は「前年比」で書いた

書類で書いたことは、はっきり覚えています。

前年比でどれだけ成績を伸ばしたかです。

保険の営業成績を、そのまま件数や金額で書いても、他業界の人には大きいのか小さいのか分かりません。業界の相場を知らないからです。

でも「前年比でどれだけ伸ばしたか」なら、業界を知らない人にも読めます。伸び率は業界共通の言語です。

これは自分で思いついたのではなく、専任のコンサルタントがじっくり添削してくれた結果でした。

エージェントを使ってよかったと今でも思うのは、この部分です。求人を紹介してもらったこと以上に、自分の実績を「業界外の人に読める形」に翻訳してもらえたことの価値が大きかった。

自分ひとりだと、どうしても業界の内輪の言葉で書いてしまいます。それは業界外の採用担当には届きません。

書類で落ちた会社もある

2社しか面接に進まなかったということは、その手前で落ちているということです。

SIerや、コンサルティングファームの求人にも出しましたが、書類の段階で落ちました。

落ちた理由は分かりません。ただ、コンサルティングファーム側は、そもそも未経験の中途に対して見る基準が違うのだろうとは思います。

ここは落ち込む必要のない落ち方でした。書類選考は、人物を見て落としているわけではなく、要件に対する照合です。

面接で聞かれたのは「IT未経験だけど大丈夫か」

面接で聞かれたことで、いちばん覚えているのはこれです。

IT業界は未経験だけど、大丈夫ですか。

これは不安を突かれたというより、確認されているという感触でした。

そのとき返したのは、正直な内容だったと思います。技術は分からない、ただ保険会社の営業現場がどう動いているかは分かる、という答え方です。

前の記事にも書きましたが、返ってきたのは「ITの知識は入社してからでいい。顧客理解があるなら大歓迎」でした。

未経験を隠したり、勉強していますとアピールしたりする必要はなかった。持っていないものより、持っているものの話をしたほうが通る、ということだと思います。

自分から聞いたのは「何を勉強しておけばいいか」

逆に、私から聞いたのはこれでした。

入社までに、ITについて何を勉強しておけばいいですか。

これを聞いた理由は単純で、本当に分からなかったからです。ただ結果として、この質問はよかったと思っています。

入る前提で聞いている質問だからです。「御社の強みは何ですか」のような質問と違って、答える側は具体的なことを言うしかない。そして答えの内容から、入った後に何を求められるのかが分かります。

面接の最後の逆質問で何を聞くか迷うなら、入社後を前提にした実務的な質問が一番情報量が多いと思います。

今もう一度やるとしたら

正直に言うと、当時のやり方に大きな不満はありません。

半年かかりましたが、地方にいて面接に行くコストを考えれば妥当だったと思いますし、2社目で決まったのも結果的によかった。

ひとつだけ挙げるなら、「上流をやりたい」で止めずに、もう少し言語化しておけばよかったかもしれません。「保険の現場で無駄だと思っている作業を、なくす側に回りたい」まで言えていたら、出てくる求人の精度は上がっていたはずです。

不動産の求人が出てきたのは、私の言葉が粗かったからです。

まとめ

やったことを並べ直すと、こうなります。

  • 「やりたいこと」は言えなかったが、現場の不満から逆算した方向は言えた
  • 業界を絞らなかったので、自分では検索しない求人に当たった
  • 職務経歴書は前年比で書いた。業界外にも読める指標だから
  • 面接では、持っていないものではなく持っているものの話をした
  • 逆質問は入社後を前提にした実務的なものにした

転職を考えはじめて、次が決まっていない段階で動くのは、気持ちとしては落ち着きません。でも、決まっていない状態のまま相談に行ってよかったと思っています。

決まってから動こうとすると、たいてい動けないからです。

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