「何年も頑張っているのに、手取りがほとんど変わらない」
SNSでも、この悩みは本当によく見かけます。
前の記事で、大きな会社の給料は等級ごとのテーブルで決まっている、と書きました。この記事ではその続きとして、テーブルの中で給料を動かしているものは何か、そしてなぜ手取りが止まるのかを、事業計画を作る側の目線も交えて書きます。
給料を動かすものは、大きく3つある
給料が上がる道は、ざっくり分けると3つです。
- 同じ等級の中での昇給
- 昇格(等級が上がること)
- 会社を変えること(テーブルそのものが変わる)
1つめは、会社のルールで動く幅が決まっています。大きく変わりやすいのは、2つめと3つめです。
昇格に必要なのは、評価だけではない
私の会社で昇格に必要なのは、次のようなものです。
- 資格試験
- 社内資格
- 評価
つまり昇格は、頑張って評価を上げれば自動的に起きるものではありません。試験や資格という、評価とは別のハードルがあります。
ここから先は、構造から私が考えたことです。
「頑張っているのに上がらない」と感じている人は、評価のほうばかり見ていて、資格や試験の条件を見落としていることがあるかもしれません。自分の会社で昇格に何が必要なのかを、一度確認してみる価値はあります。
頭打ちになるのは、等級の上限ではない
テーブルには上限があるので、そこに当たって給料が止まる、と考える人もいると思います。
私の感覚では、等級の上限に当たるより先に、普通は昇格しています。 上限に張り付くまで同じ等級にいることは、あまりありません。
だとすると、手取りが長く止まっているときに起きているのは、
- 昇格が止まっている
- そもそも会社のテーブルが低い
のどちらかです。上限の問題ではありません。
評価の決まり方も、会社によって違う
評価の仕組みも、会社で違います。
損保にいたころは、個人の評価に加えて、組織の評価も影響していたはずです。自分の数字がよくても、所属している組織の結果によって評価が左右される部分がありました。
これも構造から考えたことですが、組織の評価が効く会社では、自分一人の頑張りでは動かせない部分が評価の中に含まれていることになります。頑張りと給料がつながらないと感じるのは、このせいかもしれません。
計画を作る側では、昇給も昇格も「見込み」で置かれている
いま私は、グループ会社の事業計画を作る側にいます。
計画を作るとき、人件費は管理費として置きます。そこには、
- 既存メンバーの昇給
- 既存メンバーの昇格
- 新しく人を採る分
を、あらかじめ見込んで入れています。
ここから先は、構造から考えたことです。
昇給や昇格は、年が始まってから一人ひとりの頑張りを見て決まる部分もありますが、全体の枠は計画の段階で見込まれています。 個人がどれだけ頑張っても、その枠そのものが大きく広がるわけではありません。前の記事で、営業目標が市場成長率から逆算されると書いたのと同じで、給料もまた、計画の側から形が決まっている部分が大きいのです。
私が転職したとき、交渉はしなかった
前の記事では、中途で入るなら交渉できるのは入社前の一度だけ、と書きました。
ただ正直に言うと、私自身は転職したとき、テーブルを確認しただけで、交渉はしませんでした。 提示された位置が妥当だと思ったからです。
交渉するかどうかは、人によっていいと思います。大事なのは、自分がどのテーブルのどこに置かれるのかを、入社前に確認しておくことです。確認していれば、そのあと何年かでどこまで行けるのか、昇格には何が必要なのかを、自分で見通せます。
同じ仕事でも、会社が変わるだけで大きく変わる
最後に、いちばん伝えたいことを書きます。
同じ仕事内容でも、会社が変わるだけで、給料は大きく変わります。 信じられないと思うかもしれませんが、本当です。
同じ会社の中にいる限り、給料はそのテーブルと、昇格の条件と、計画で見込まれた枠の中で動きます。その外に出ると、テーブルそのものが変わります。
手取りが上がらないことに悩んでいるなら、「もっと頑張る」の前に、自分の会社の昇格の条件と、同じ仕事をよその会社でやったらどのテーブルに乗るのかを、一度確かめてみてください。
まず手軽なのは、実際にその会社で働いた人の口コミで、年収や評価の仕組みを見てみることです。(PR)
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よその会社のテーブルを知るには、条件の擦り合わせまで任せられる転職エージェントに、今の経験でどんな求人があるかを聞いてみるのもひとつの方法です。たとえば、大手企業の人事出身者が転職をサポートする、というサービスがあります。(PR)
まとめ
- 給料を動かすのは、等級の中での昇給、昇格、会社を変えることの3つ
- 昇格に必要なのは評価だけではない。私の会社では資格試験や社内資格も条件になる
- 等級の上限に当たる前に、普通は昇格している。手取りが止まるのは、昇格が止まっているか、会社のテーブルが低いか
- 評価の仕組みも会社で違う。損保では組織の評価も影響していたはず
- 計画を作る側では、人件費は管理費として、既存メンバーの昇給・昇格と採用まで見込んで置かれている
- 私は転職のとき、テーブルを確認したうえで交渉はしなかった。確認だけは必ずする
- 同じ仕事でも、会社が変わるだけで給料は大きく変わる


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